昨シーズン途中に優勝候補のひとつだったミルウォーキー・バックスに移籍したジェイ・クラウダー。
2022−2023シーズンは彼にとって自身の投資に失敗した年だったかもしれません。
フェニックス・サンズが2021年のファイナルに進出する勢いをつけた選手の1人だったものの、昨シーズンでチームから与えられる役割の減少に不満を示しトレードの要求をしたクラウダー。
シーズン中にミルウォーキー・バックスへの移籍が叶ったものの、プレイオフでの貢献は悲惨なものでした。
平均出場時間も約10分、勝負の際になった最後の2試合には出場すらしない状況で、チームを変えても出場機会は増えませんでした。
シーズン中から脚に故障を抱えていたので、コンディショニングを整えるのが難しいと答えていたクラウダー。怪我で休場したと考えられますが、それでもFAの直前としては活躍したかったはず。
レギュラーシーズンでの活躍はベテランとしてとても評価が高かったので、勿体無さは余計感じてしまいます。
KDのトレードでミケル・ブリッジズやキャム・ジョンソンがいなくなった事を考えれば、サンズに留まっていた方がプレイタイムが増えていたかもしれませんね。
それでも優勝を目指せるチームに行くことにこだわったクラウダー、もしかするとトレード要求のタイミングとトレード先は最悪の選択だったかもしれません。
まず、バックスのチーム状況やラグジュアリータックスに直面しているサラリーキャップ問題から見てクラウダーとの再契約はないと予想されています。
こう見るとバックスへの移籍はチームとクラウダー双方から見て単年でのチャレンジだったわけですが、バックスが彼の獲得のために将来のセカンドラウンドピックを5つ手放したと考えると、バックスにとってここ数年で最悪のトレード案件だったとも言えます。
選手として大きな役割を担いそれなりの評価を得たい(年棒)と考え、さらに優勝候補のチームに加入したいとしているクラウダーを実際欲しがる優勝候補のチームは探すのが難しそう。
金額の妥協か役割の減少、できればその両方を受け入れられれば、以前在籍していたマイアミ・ヒート、メンフィス・グリズリーズ、ボストン・セルティックスのようなチームが声をかけてくれるかもしれないとされていますが、契約最終年でのアピールがほとんどできなかったクラウダーにとって望みは薄いように感じます。
理想のようにはアピールできないまま2023年フリーエジェントとなった事も大きな失策となってしまいました。
なぜなら今年のFA市場はフォワードの豊作年とされているから。
再契約がまだ確実視されていないFAの中で、ウォリアーズのドレイモンド・グリーン、ネッツのキャム・ジョンソン、ホーネッツのPJワシントンやブレイザーズのジェレミー・グラント、オフコート問題で期待されながらもプレイできなかったマイルズ・ブリッジズも復帰を予定されているなど、注目フォワードが多く存在します。
個人的に動向が特に気になるのはドレイモンド・グリーン。
得点力が目減りしながらもなんだかんだウォリアーズシステムの中心として重宝されて来たけれど、近年チーム内システムの変化や金銭面の問題から移籍となる可能性はあり。もし実現するとインパクトの大きいムーブになりそう。
お買い得選手として、渡邊雄太もここに名前を挙げられている優良フォワードですね。
その中で年齢も考慮すると、クラウダーに注目を集めることは極めて難しいと言えそう。
とはいえ、いつの時代も必要とされる3&D、きっとどこかにチャンスはあります。
特に近年優良フォワードの存在は攻守両面で貴重な存在。元々ディフェンダーとしても評価を得ていたクラウダーですから、そこに活路を見出す可能性はあるはず。
あとは役割や金額の減少をどれだけ受け入れられるか、もしくはすぐに優勝を狙えるチームでなければ多くのチームが選択肢として入ってきそう。
ここを受け入れられずキャリアを短くした選手はNBAで数知れません。ファンにとっては1番見たくない終わり方のひとつです。
ジェー・クラウダーはこの分かれ目にいる選手だと思いますが、彼がどんな選択をするのか、もしくはできるのか、気になるところ。
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