AJです。
怪我からスタートした今シーズンのベルターンズ。
ウィザーズでは今季役割が減り、昨季と比べて10分以上出場時間が削られてしまいました。
シーズン半ばにマブスにトレードされたものの、レギュラーシーズンでの出場時間はたったの平均13.9分。
トレードされる前はウィザーズで14.7分プレイしていたので、さらに出場機会が減った形になりました。
こうしてただでさえ出場機会が減っていたウィザーズ在籍時よりさらに出場時間が減ることになったベルターンズは、今「高給取りシューター」の筆頭として矢面に立たされています。
昨年5年8000万ドルの契約を果たしたベルターンズは、シューターとしてかなり高額の契約に成功したと言えます。
例えばここ数年で一気に評価を受け、NBAの歴史的にも目を見張るシュート成功率を収めているセス・カリー(Seth Curry)は2019年に4年3200万ドルの契約を勝ち取りました。
2019年での契約とはいえ、このセスの契約は現在のベルターンズと比べお得感満載。
ベルターンズはフォワードの割にリバウンドが圧倒的に少ない選手(今季2.1)で、逆にセスはシュート分野での高評価だけでなくアシスト数もキャリアハイに伸ばしてきている選手(同3.6)。
シュート以外の仕事ぶりをメジャースタッツで比べてもこの額差があるとは思えません。
ただ、シャープシューターはNBAで常に重宝されるカテゴリーです。そのカテゴリーに関してリーグトップレベルとなるとリーグ内で取り合いになるので、評価より高い金額にはなりがちになってしまうのかなと思います。
その性質上、チームが選手確保のために行った高額契約がのちに失敗だと批判される事も多々起こるんでしょうね。
シューターの高給取りと言われる選手が常に出てきてしまうのは年々高額契約になってきているNBAでは仕方ないことなのかもしれません。
今回Basketball Foreverで取り上げられた、今シーズン「Overpaid(高給取り)シューター」トップ3は以下の通り
選手 | 契約内容 | 契約 | 在籍 |
Duncan Robinson | 5年9000万ドル(25-26シーズンまで) | MIA | MIA |
Davis Bertans | 5年8000万ドル(24-25シーズンまで) | WSH | DAL |
Joe Harris | 4年7500万ドル(23_24シーズンまで) | BKN | BKN |
NBAでのキャリアを鑑みるとベルターンズは余計に目立ちます。
他の2選手と違い、契約したチーム(つまり選手を評価したチーム)と在籍しているチームが違うことで、高額契約が邪魔者扱いされそうなのも彼にとって厳しいところ。まあそれも納得してトレードされてるはずですが。
見方によっては試合に出れていないダンカン・ロビンソンの方が厳しく見れるかもしれませんが、評価してくれたチームに在籍しているだけまだチャンスがあるようにも感じます。数年のスパンで考える余裕が一応ありますからね。
現シリーズ(対シクサーズ)で合計たった55秒しか出ていないと言うロビンソンも気になりますが…(5/10日時点)
ロビンソン記事は前回Jerryが書いてくれているので読んでみてください↓
ただ、少ない出場時間ながらチームの予想外の好勝負に貢献していることが、地味ながらも評価されてきています。
前回の第4戦(現地時間5/9)では4本のスリーを沈め12得点。わずか12分出場で効率の高い活躍をしました。
特に4本目のスリーは明らかにベルターンスにシュートを打たせるためのセットプレイ。彼がシューターとしてマブスでも明確な役割を持っていることがわかります。
限られた選手の出場時間が異常に伸びている現在のマブスにあって、少ない時間でも貢献できているのは大きいですね。
このまま活躍度を伸ばせば、もしかしたら出場時間が長くなってしまっている選手達を多少長く休ませることができるタイミングが生まれるかもしれません。
本人も活躍できたことが嬉しい反面、「これが自分の仕事」と大袈裟な感情は抱いていない様子。
ただし、同時に彼自身がスタメンの代わりになれるとは考えていないようです。
「今日は自分が良く見えた日だった。それ自体は気分の良いものだけど、数字が全てではないからね。
例えば今夜のブロックは多く得点しなかったけど、みんな彼がディフェンス面でどれだけ貢献しているか知っているだろう。」
“I got good looks(today).
I now of course feels good, but I think it’s beyond the numbers on the paper.
For example, Bullock tonight, he didn’t score a lot. But you know everybody sees what kind of helps he is for this team on defensive end.”
-Bertans at Post-game interview
レジー・ブロック(Reggie Bullock)やフィニースミス(Dorian Finney-Smith)の現在の活躍は、チームにとってある意味ルカよりも重要になっていると言えます。
それだけ彼らの攻守の貢献度は高く、プレイオフで戦えているシチュエーションに持ち込んでいるのは彼らのおかげです。
それを証拠に、ルカよりもこの2人の出場時間が多くなっていますよね。
ベルターンスもこの2人の代わりになることはできないと考えている様子。
これは良い意味で割り切りだと思います。
オフシーズンを挟めばまだしも、現時点では自分が貢献できる方法で活躍するしかありません。
スタメンを彼らから奪うことは今のベルターンスには出来ないと思いますが、出場時間を奪う(彼らを少しでも長く休ませる)ことに貢献することは多少なりともできると思います。
どうしてもプレイタイムが長くなってしまうプレイオフ。これができるメリットは大きいです。
シャープシューターとしてマブスはベルターンスを獲得しているはずですから、その分野で活躍できればチームも文句はないハズ。
ウィザーズから引き継ぐ高額契約を納得させるかは、正直今の出場時間の短さでは難しいとは思います。
それでもポテンシャルを見せなくてはいけません。それはマブスに対してかもしれませんし、移籍するかもしれない他チームへのアピールかもしれません。
なんにせよシューターとして評価された事実は契約額として既に手に入れているわけです。
このプレイオフで限られた時間、「高額契約に見合った選手だった」と思わせる活躍を見せてくれるのが楽しみです。
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