こんにちは、AJです。
先日ミネソタ・ティンバーウルブズがユタ・ジャズからルディ・ゴベア(Rudy Gobert)を獲得する事に成功しましたね。
内容はゴベアー1人に対してウルブズは選手5人に将来の1巡目ドラフトピック5つ(うちスワップ1つ)を差し出したトレードに…
今までの大型トレードの中でもトップレベルの大きなトレードです。
ここまで戦力と将来の指名権をしてまで獲得したゴベアは、確かにディフェンス面でリーグ内でも大きな存在感を放つ選手。
しかし限定的なオフェンス力を鑑みてか、過小評価されていると判断される選手の1人でもあります。
デメリットの面も大きく議論されているトレードですが、今回は彼を獲得しただけで「得した」と思えるメリット3つを考えていきましょう。
カールアンソニー・タウンズのディフェンス面
何より重要だと思うところの1つに、タウンズへのディフェンス面の負担削減があります。
カールアンソニー・タウンズは、アンソニー・エドワーズがチームの得点リーダーとして台頭してきたとはいっても未だにチームの中心。
レギュラーシーズン中、あれだけエドワーズにボールを渡している中オールNBAサードチームに選ばれていることからもその凄さが分かりますね。
しかし、彼が悩まされている問題がファウルトラブル問題。
昨レギュラーシーズンだけでも6ファウルでの退場が5回。
74試合出場で退場5回ならまあ良いか…と思う人もいるかもしれませんが、
5ファウル以上した試合を数えるとなんと19回に上ります。
全ての時間帯が大事な試合展開と考えられるプレイオフでは6試合中3試合が5ファウル。
ファウルトラブルに見舞われると必然的にプレイタイムも制限されます。
ディフェンシブエンドとしてゴールを守る立場から、センターポジションだったタウンズにファウルが重なるのは仕方のないことではありますが、これによってウルブズはタウンズをベンチに置かざるを得ないシチュエーションを多く経験して来ました。
今年2022年プレイインでも残り8分を残してファウルアウトする厳しい展開に遭っています。
さらにはテクニカルファウルまで多い選手。
2022年のテクニカル数ランキングではリーグ全体で同率4位の多さ。
1 | Trae Young | 19 |
2 | Luka Doncic | 18 |
2 | Draymond Green | 18 |
4 | Karl-Anthony Towns | 16 |
試合展開やシーズン成績を見るだけでもわかるように、チームにタウンズをベンチにしておく余裕はありませんでした。
今回のゴベアの獲得で1番期待できるのが、タウンズにディフェンス面での負担を減らしファウル数を少ないまま試合運びを計算できることです。
ただでさえ3度の最優秀ディフェンス賞を持っているゴベアですから、ゴール下周りの守備力には絶大の信頼があります。
ゴベアをセンターに置くことができるだけで、タウンズのファウル問題を解消し試合展開を有利にできる期待が持てます。
タウンズのファウル問題を軽減できるだけでも、彼を獲得したメリットと言えそうですね。
リーグトップレベルのウィンシェア率を持つ選手2人
次に注目したいのは、タウンズとゴベアのウィンシェア率。
ウィンシェア率はその選手のオフェンスでのポゼッションや得点数などを勝利数と加味して数字に算出しているものですが、2021-2022シーズンそのランキングで2人はトップ5にランクインしています。
Winshare% | Name | % |
1 | Nikola Jokic | 15.22 |
2 | Giannis Antetokounmpo | 12.93 |
3 | Joel Embiid | 12.04 |
4 | Rudy Gobert | 11.75 |
5 | Karl-Anthony Towns | 10.36 |
6 | Trae Young | 10.07 |
単純計算は出来ないのがチームスポーツですが、リーグトップレベルのウィンシェア率を誇る2人が同じチームにいる事になるのは大きな期待をして良い要素ですよね。
特にKATはオフェンス、ゴベアはディフェンスで貢献できるタイプと棲み分けも出来ているので、通常起こるスーパースター2人のボールシェア問題のような不安は起こらないように思います。
さらに、ゴベアが在籍していたユタ・ジャズは2021-2022シーズンのディフェンシブレーティングがリーグ10位。
ウルブズは13位と、両チームとも高順位の成績を残しました。
この2チームでディフェンスに貢献していた選手といえば間違いなくゴベアとタウンズの名前が上がります。(それぞれペリメーターディフェンスの役割を果たしていた選手も別にいましたが)
10位と13位の守備の中心になっていた選手が合わさるとなると、ウィンシェアの数字と合わせて興奮させられる組み合わせになりますね。
オフェンスのスペーシング
オフェンス面で直ぐに影響があるだろうと予想できるのがスペーシングの提供。
2021-2022シーズンでメインだった3人(ディアンジェロ・ラッセル、アンソニー・エドワーズ、タウンズ)は全てスリーポイントをオフェンスの武器としてアドバンテージにしている選手です。
特に期待してしまうのはタウンズのアウトサイドシュート。
タウンズはリーグでもトップクラスのスリーポイントシュートを打てるセンターとして有名です。
ゴベアがオフェンスでインサイドの仕事をこなすとなると、今まで以上にタウンズが遠慮なくアウトサイドに出る場面が多くなると期待できます。
ここ近年ではセンターとしてのプレイだったこともあってトップからのスリーが特に多かったように思いますが、%が高かった頃の数年前のようにコーナースリーが増えるかもしれません。
ピックアンドロールの観点から見ても、ゴベアとタウンズのピックをディアンジェロとエドワーズがこなしていく展開は相手にとって恐怖になるかもしれません。
予想の段階で唯一の懸念点はポストアップ。
ゴベアはボールファンブルも多いと指摘されていたり、1on1場面でのポストアップがセンターの割りに苦手とされています。
となるとポスト展開をする場合はタウンズ起点になることが予想できますが、その時ゴベアはスペースを広げることができません。
ダンカースポットから上手く連携できれば簡単に解決する問題になりますが、ここが上手くフィットするかが”ツインタワー”を形成できるかのカギかもしれませんね。
まとめ
予想の段階で想像できる簡単なメリット3つを紹介しました。
メリットを考えた場合、主にカールアンソニー・タウンズにとって良いことが多くあるだろうことが予想できたと思います。
KATを獲得してから7年間、チームがどれだけ彼に頼っていたか痛感する部分もありますが、スモールタウンのミネソタだけにある程度仕方のなかったことなのかもしれません。
しかしここ3年でディアンジェロ、エドワーズとチームを構成していくコアが集まって来ました。(ディアンジェロはトレードの可能性もありますが)
今回のトレードでジェイデン・マクダニエルズを放出せずに済んだことが幸運だったと期待する声もあります。
KG時代以降、プレイオフシリーズを一度しか勝ったことのないティンバーウルブズ。
しかしここ数年で一気に話題豊富なチームになって来たように思います。
そろそろ強豪と呼ばれる日が近づいて来たのかもしれませんね。
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