こんにちは、AJです。
昨シーズンの終盤、プレイオフが遠のくにつれてファンの気持ちは離れていったかもしれませんが、
そんな過酷な状況でもニックスを見る楽しみとなったのは若手選手の出場時間獲得でした。
特にジェリコ・シムズ(Jericho Sims)とクエンティン・グライムズ(Quentin Grimes)を見る時間帯は増えていき、若手の中で元々出場時間が多かったイマニュエル・クイックリーと合わせて、若手にチャンスを与えているように見えたシーズン後半は選手個々の可能性を見る機会としてファンにも興味深かった期間になったと思います。
この2人は今回の2022年2Kサマーリーグに出場しその成長を見せつけてくれましたね。
特にグライムズにはワクワクさせられます。こういう選手好きです。
グライムズのハイライトにシムズへのアシストが多いのも、なにかと良い要素に感じさせますよね。
勝利への諦めに対するフラストレーションを払拭できるほどの材料ではありませんが、ファンであれば見る価値のある時間ではあったはず。
その中でも最も目立っていたのが、チームのエースプレイヤー(少なくてもそうであって欲しかった)だったジュリアス・ランドルのシーズン離脱によってスタメン出場機会を得たオビ・トッピンでした。
ランドルが欠場するようになってからの3月後半からトッピンは8度のスターティングラインナップ入りの機会を得、平均で35分間の出場時間を獲得しました。
35分出場となると、空いたランドルのスポットを1人で埋めたと言っても言い過ぎではなかった起用です。
特にシーズン最終試合のトロント・ラプターズ戦で42得点10リバウンドのビッグスタッツを残したのは記憶に新しいですね。
オビ・トッピンの持ち味はオフェンス力
その得点力はドラフト当時から評価されていました。
アーリーエントリーする事が多いNBAのドラフト候補選手ですが、オビは進学の関係で大学でのプレイ経験は2年ながら22歳になっていたため、「成長の期待が他選手より低い可能性」が懸念材料にもなりやや評価を落としていましたが、
裏を返せばその時点でそれなりに完成された選手にも見えたとも言えそう。
昨季のこの活躍を見ても、大学時代に平均20得点を記録していたオフェンス力はNBAレベルだった事が証明されたようにも思います。
スラムダンクコンテストに参加経験もあることでも分かるようにリムへのアタック力は豪快で、ドライブ時のボールハンドリング力もパワーフォワードの中では平均以上です。
アリウープを含めたリムアタックが控え出場として彼の主な得点スタイルでしたが、
昨季スタメンで出場するようになってからはフローターやミドルレンジ、アウトサイドからも無難に得点を重ね、オフェンスでのフィニッシュ力に関して”フルパッケージ”の選手になれるポテンシャルを見せてくれました。
スリーポイントシュートの成功率はいまだに30%と得意なカテゴリーではありませんが、シーズン終盤の思い切りの良い打ち方を見ていると改善できる可能性は十分あるように感じます。
オビ・トッピンを起用するメリット
特にニックスにとってメリットがあると思えるオビの魅力はその機動力です。
オビはパワーフォワードながら、ディフェンスからオフェンスへの切り返しが速くイージーバケット(easy bucket=楽に決めれるシュートのこと)の量産に貢献しています。
ニックスは昨シーズンファストブレイクによる得点数のランキングがリーグ全体で25位。
オビがもっと出場時間を得ることが出来ていれば簡単に改善出来ていたカテゴリーだったかもしれませんね。
オビのように身体能力のある6-9(206センチ)の選手がここまでファストブレイクに参加できるのは、どこのチームに行ってもアドバンテージを見込めるメリットだと思えます。
特にニックスはランドルを中心にすることでスローテンポなオフェンスが多くなりがちなイメージです。
ここを少しでもオビ・トッピンに変える、もしくは一緒にプレイさせる時間帯を作ることで何か変わるような気がしませんか?
オビ・トッピンがニックスでプレイできない懸念点
確かにディフェンス面ではまだまだなところもあるという批評ではありますが、オフェンスに関して明確にメリットを与えられる選手なハズのオビ・トッピン。
しかしニックスでは試合に出れないだろう環境が出来上がりつつあります。
まず直接的に関係するのは同じポジションの戦力関係です。
オビはPFの選手で、1試合平均36分プレイするランドルがいる間は単純に10分程度の枠しか与えられていません。これはランドルがいない限り無くならない問題です。
解決策として考えられるのがオビのセンター起用ですが、ヘッドコーチのシボドーがそのローテーションを使用するかは疑問です。
シボドーは2008年セルティックスが優勝した時のチームアシスタントコーチ。役割はディフェンスコーチでした。
その評価を引っ提げてヘッドコーチになったブルズでも、その後のウルブズでも、今のニックスであれ、
シボドーは自身が構築するディフェンスシステムに関して上背のあるディフェンシブセンターを大事だと考えているところがあると言います。
一例ですが、シボドーはどこのチームに行ってもタジ・ギブソンの獲得をしていることはちょっとした証拠になるかもしれません。
昨シーズンオビがランドルと一緒にプレイした時間はたったの101分。
昨季終盤の活躍を見て起用法が変わる可能性も考えられますが、ディフェンス面でまだ信用のないオビをシボドーが好んで使うことはまだないでしょう。
現在ニックスにはセンターポジションの選手が3人います。
健康であればスタメンを確約しているミッチェル・ロビンソン、
前述した成長が期待されている若手のジェリコ・シムズ、
そして今オフFAで獲得したアイザイア・ハーテンシュタインです。
ハーテンシュタインは昨季クリッパーズで控えセンターとして活躍し、攻守両面器用にこなせるビッグマンとしてミッチェルやシムズとは違ったオフェンスの変化を作ることが期待できます。
選手の多様性としても、この選手を抑えてオビがセンターをやるとは思えません。
この3人から役割を奪ってまでオビが5番ポジションでプレイする時間を作るのは、現段階では考えにくいですね。
あと考えられるのはスモールフォワードとしての時間で、これは有り得そうでもありますが、
今オフにFAでジェイレン・ブランソンを獲得しているだけにガード陣のミニッツの取り合いは激化が予想され、RJバレットやエバン・フォーニエーのSFへのスライドも多くなる事が考えられます。
オビがSFをプレイすることはあっても一定した時間を獲得できるとは思いません。
つまり、今のニックスにはオビが20分以上出れそうな環境がないんです。
これはチームから重要な選手と考えられていないと思っても仕方ない状況かもしれません。
まとめ
オビ・トッピンは昨シーズン終盤に活躍を見せ、将来が期待できる選手の1人として注目を浴び始めていますが、
ニックスには彼に出場時間を与えるつもりがなさそうです。
このままニックスで時間を過ごすことになれば、制限付きFAの市場に出るまで平均10分ほどの出場時間しか与えられないのでしょうか?
昨季終盤の活躍を見ていると、それはとても残念な環境にいると思っています次第です。
ドノバン・ミッチェルを獲得するフロントランナーと言われ続けている現在のニックス。
トレード対象の渦中にある主な選手はRJバレットやグライムズらしいですが、
そこに上手くオビも巻き込まれて、どこか違うチームでチャンスを得れるのが今の彼にとってベストなパターンなのかもしれません。
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