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バスケへの情熱を取り戻す年。Karl-Anthony Townsの挑戦

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2020年2月の下旬にコロナウイルスが世の中に影響して以降、世界と同じくリーグ全体がパンデミックの被害に遭って既に2シーズンが経過しました。

未だにこのパンデミックからの脱却には時間がかかりそうな世界情勢ですが、このコロナ禍によって最も精神的に辛い経験をしたNBA選手の1人はMinnesota  TimberwolvesのKarl-Anthony  Towns(KAT)でしょう。

2020年4月に母親を失ってから早1年半、コロナウイルスの感染でTownsは親族を合計7人も失ったといいます。この短期間でこの人数の家族を失うことがどれだけ辛いことか想像に難くありません。

Karl-Anthony Towns Says He Lost 7 Family Members to COVID-19, Including His Mom
Minnesota Timberwolves star Karl-Anthony Towns is still grieving the death of his mother, Jacqueline Cruz-Towns, and opened up about the losses his family ha...

インタビューでも、「昨年のバスケは自分にとってlikeなもので、loveなものではなかった」と語っています。

Townsにとってバスケをする1番のモチベーションは、母親や家族が自分のプレイする姿を見てくれている事だったと言い、母親を失った時プレイすることを楽しいと思えなくなっていたそうです。

この精神的な苦痛が成績にも影響したのか、昨シーズンのTownsは7シーズンのキャリアでワーストレベルの低い数字を残しました。

FG48.6%はキャリア最低の数字、リバウンド平均10.6と3ポイントシュート確率36.7%はルーキーシーズン以来に低い数字でした。

故障も重なりここ2シーズンでの出場試合数も85試合に留まり、チームをまともに牽引することも出来ていません。

しかし、ここまで低調と言われながらも得点平均24.8は目を見張る数字。Townsはセンターの中でアシスト力もあることで有名ですが、昨シーズンの平均4.5アシストは自身のキャリアハイを記録しました。

”KATの基準からすれば低い数字”なだけで、公平に見てみればこれだけ情熱と健康を失っていた中でもトップレベルの記録をしていることは逆に彼のポテンシャルの高さを表してしまっているようにしか思えません。キャリアローと言いながらも10.6リバウンドなんてリーグトップ選手しか残せる数字ではないですから笑

プレイだけ見ていると、正直情熱がなかったとは思えないほど高レベルのプレイクオリティを昨シーズンでも見せていますよね…

Karl-Anthony Towns is coming out of the fog and ready to lead the Timberwolves
The last few years have been difficult for Karl-Anthony Towns, but the young big is resolved to lead the Timberwolves forward this season.

Karl-Anthony Townsはキャリアを通して軟弱なメンタリティを持っていると批判されてきました。それはJimmy Butlerにも闘争心がないと笑いものにされ、Jimmy移籍希望の引き金になってしまっています。

JimmyがTimberwolvesにいた年にしかKATはプレイオフを経験していませんが、一方でSixersに移籍したJimmyはすぐにプレイオフでその年優勝したラプターズとの激闘を演じ、その後現在在籍しているHeatではファイナルにまでチームを導いています。

KATに闘争心がないとは思いません。勝利の為に熱くなっているシーンは何度もコート上で見せています。

それでもJimmyや他の好戦的な選手からすれば、確かに彼のメンタルには弱いものを感じることがあるんでしょう。ネガティブに見れば、勝利を競うプロの世界でそのメンタリティはマイナス面に成り得ます。

この”楽しくプレイしたい”というマインドは、過去に闘争心がないと批判されながらも当時リーグベストセンターと評価されていたDwight Howardに似たところを感じますね。

その価値観に対して、チームは適切な補強をしたと思います。2シーズン前にAndrew Wigginsと引き換えに獲得したD’Angelo Russellは10代の頃からの親しい友人関係。Townsのバスケットボールをプレイするモチベーションとしての価値観からすると、チームの中で”Family”を形成するのは正解だと思います。

Jimmy Butlerとのいざこざも経験してか、それ以来KAT自身チームの補強に意見を伝えるようになったと言います。D’Angeloの獲得は少なからず彼の意見が通っていることがわかりますし、彼の目指すチームの形を想像できるようになったと考えれば、Jimmyとの一年も経験して良かったことなのかもしれません。

D’Angeloを迎えても結局勝てていないと言う意見もあるかもしれませんが、その結論に行くにはまだ早計です。

D’Angeloの獲得後、2人が一緒にプレイした試合数はまだたったの24。

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お互い故障でコートに立てていなかった状況だっただけに、2人でシーズン通してチームを牽引する時をファンは待ち望んでいます。

これが30代の選手なら早い判断が必要かもしれませんが、お互いまだ25歳。チャンスはまだ多く残っていると思っています。

近年故障の多い自身のフィジカルに関しても、KATはこのオフシーズンに対策を行ないました。

故障をしにくい強いフィジカルを手に入れる為、この夏”とてもハードなトレーニング”をしたと言います。また、今年Hall Of Famer(バスケットボール殿堂入り)にもなった元Pistons他のBen Wallaceにより良い身体になるためのアドバイスも受けたそうです。

fadeawayworld.net

Ben Wallaceといえば強靭な体躯を売りに、NBA最多タイの4度ディフェンシブプレイヤーオブジイヤーに輝いた人物。具体的にどんなアドバイスを受けれたのかはわかりませんが、この情報だけでもKATのモチベーションは感じ取れます。

さらにThe Athleticによれば、Timberwolvesが獲得を模索していたと言う親友の1人、Devin Bookerの昨シーズンの活躍もKATにはモチベーションになっているそうです。

こうやって仲の良い関係から良い影響を受けれる彼のスタイルは彼のメンタリティの良い部分でもありますね。

いくら健康を保てたとしても、今のTimberwolvesが直ぐにプレイオフチームになれるかはわかりません。それだけ今のNBAは上位がひしめき合っています。

それでも、自分のスタイルでモチベーションを上げ、家族の死を乗り越えて活躍する姿を期待してしまいます。

故障への不安、チームケミストリー、強豪チームになるための最後の補強。課題や懸念もまだ多いチームですが、少なくともKarl-Anthony Townsにとってバスケットボールがまた”Love”になるシーズンであることを願います。

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