AJです。
プレイオフファーストラウンドもポツポツと進退の結果が決まり出してきましたね。
特にスウィープがないシーズンになると思うほど群雄割拠な年になるかと思いましたが、ブルックリン・ネッツがファーストラウンド唯一のスウィープされたチームになったのは意外でした。
負けるだけなら予想した人もいたでしょうが、まさかスウィープとは…
ネッツについても語りたいけど、今回ここで取り上げるのは昨日アトランタホークスを下し、いち早くセカンドラウンド進出を決めたマイアミヒートのスターティングメンバー変更についてです。
負けている方も言及したいですが、やはり勝ち上がってる方にどうしても優先順位が来ちゃいます笑
実はヒート、オールスター後にいちど勝ちペースを落としていたのは知っていたでしょうか。
それは主力の欠場が1番大きな理由ではあったと思いますが、
その後シーズン終盤にかけてプレイオフに入る前にスターティングメンバーのテコ入れをしていた事が優勝候補と言われる程のリズムを掴み直すのに一役買いました。
そのスタメン起用選手がマックス・ストゥルース(Max Strus)です。
これまでもチャンスがある度にスタメン起用はされていたストゥルースですが、今回プレイオフ前からスターティングに固定される決断をされました。
代わりにリザーブに回ったのはダンカン・ロビンソン(Duncan Robinson)。
2年前のファイナルでの活躍が記憶に新しく、ファンの中には彼のセカンドユニット行きに驚いた人もいたかもしれませんね。
ここのサイトでも何度も書いていると思いますが、ヒートがファイナルに進んだ2020年のダンカン・ロビンソンとバムのハンドオフプレイはクオリティが高く将来性を感じさせました。
個人的には大好きなヒートのスタイルでした。
しかしカイル・ラウリーを獲得したことでジミー・バトラーへのボールコントロールの負担を減らせたことや、
あるいはタイラー・ヒーローの成長もそこを必要させなくなった理由なのかもしれません。
PGが必要ないのかも?と思わせるバムとのツーメンゲームは見ててとても楽しかったのですが…やはりゲーム運びにはPGのコントロールが必要ということでしょうか。
ダンカン・ロビンソンへの需要として、このハンドオフの割合が減ったことで彼の活躍の頻度が減るのは必然だったと言えます。
カイル・ラウリー、ジミー・バトラーと一緒にコートに立つとなると、ダンカンに任された役割はほとんどスポットアップシューターとしての存在になりました。
そこで今回スタメン起用されたのがマックス・ストゥルース。
ダンカンと比較して、彼にスタメンが任されたのはそのバランスの良さです。
彼もエリートシューターと呼ばれるにふさわしいアウトサイドシューターですが、シューターとしての天井を比べるとダンカンの方が上だと思います。
マックスも今季にアウトサイドシューターとしての可能性の高さを見せてくれたんですけどね。
しかし今シーズンのダンカンのタッチが不安定なことと、マックスの総合的なチーム貢献度を天秤にかけてスタメン起用されたと考えられています。
ダンカンも十分体格のある選手だとは思いますが、マックスの方が体格は太く、身体能力は明らかにマックスの方が上です。
スリーポイント以外の得点、リムアタックやミドルでのジャンパー、フローターなど得点パターンの多さ、貢献度の多様さから今のスターティングメンバーのサポート役としてマッチすると考えられたみたいですね。
さらにディフェンス力でもマックスの方が高い評価を受けています。
ダンカン・ロビンソンも頑張っていると思いますが…まあここは仕方ないところ。
体格的にもこなす役割的にもなんか「若いPJタッカーがいる感じ」と言うとわかりやすいのかもしれません。
若い分、運動量、運動能力はマックスの方が上です。
一方、この人事異動はダンカン・ロビンソンにもメリットがあるようです。
リザーブユニットとして出場することになるダンカンは主にタイラー・ヒーロー(Tyler Herro)とのプレイタイムが増えます。
ヒーローはPGながら、今やリーグでも有名なスコアラー/アイソレーションプレイヤーですね。
バム・アデバヨとのスタンドオフプレイが激減しスポットアップシューターとしての役割が主になったダンカンにとって、ヒーローのオフェンススタイルはコーナーへのキックアウトパスが増える組み合わせになると期待されました。
さらにヒーローからしても、ダンカンがコーナーにいるだけでスペーシングが広がってウィンウィンの関係になっています。
今のメンバーでのアウトサイドシューターとしての活躍度に波の上下が昨年よりさらに激しくなってしまっていた今シーズン、スタメンでのバランサーとしての役割にストゥルースを置いて、リザーブからの出場でシューターとしての役割に専念するのは双方にお得な配置換えになりました。
実際に今のところプレイオフではダンカン・ロビンソンの出場時間は減っているので、スタメンのぶんマックスの方が旨味が多かった感はありますが、
それで勝てるパターンが作れるのならチームとしては上々でしょう。
ファイナルに進出した年から2年連続でスリーポイントの確率を落とし今季は37%(それでも悪くない数字)のロビンソン。
ストゥルースは41%を記録したので、単純にアウトサイドの数字でスタメンを入れ替えたとも取れるかもしれません。
しかしロビンソンも3年連続でスリーの成功数をシーズン200本記録している選手。確率を落としているとはいえ、波に乗っている時驚異なのは疑いの余地なし。
今回ヒートに敗退したホークスのHC、ネイト・マックミランもこう語ります。
「(ロビンソンとストゥルースの)どちらがコートにいたとしても、彼らはエリートシューターだ。
ロビンソンやヒーローがベンチから出てくることは私たちにとっては悩みの種で、タフなチャレンジだよ。」
”Those guys are still elite shooters, whether you have one or the other on the floor.
I think Robinson, Herro coming off the bench, that’s a problem (for the Hawks), that’s a challenge.””
-Nate McMillan on Duncan Robinson coming off the bench
ヒートのプレイオフ記録も更新していきそうなダンカンですから、相手HCからしたら対策しなくてはいけない選手の1人なのは納得。
今年大成した感のあるヒーローと同時にとなると相手コーチの苦悩が想像できますね。
マックス・ストゥルースはドラフト外からNBA入りした選手。
最初に契約したのはヒートではありませんでしたが、「使えるところまで持ってきた」というところはヒートとしてまたもやって感じですね。
今季の活躍で、ゲイブ・ビンセントとともにドラフト外の選手が成長を見せ、ヒートのスカウティングスタッフの能力の高さが再評価されています。
ゲイブ・ビンセントについて書いた以前の記事↓
ダンカン・ロビンソンもアンドラフトからの獲得ですしね。いやはや凄いです。
今のロスターで他にいるドラフト外選手(最初に拾ったのはヒートではないけど)でいうとオメール・ユルトセブンですね。
彼もすでに界隈では有名選手になっています。14試合連続でダブルダブルを記録したことは話題になりました。
バムがいる限り活躍が限られてしまいますが、彼の存在もヒートのスカウティング陣評価に拍車をかけてます。
これらの選手の活躍、ヒートが勝ち上がっていくとすれば必ず見ることになると思うのでますます楽しみです。
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