AJです。
イースタンカンファレンスはボストン・セルティックスがファイナル行きを決めました。
ここ数年、カンファレンスファイナル出場までは何度も達成しているセルティックス。
特にジェイソン・テイタム(Jayson Tatum)はルーキーの時点で経験したっていうのもなんか凄いですよね。
あの”プレイオフモード”レブロンと19歳の時点でやり合ったのはいい経験になったこと間違いなし。
しかし肝心のファイナル進出はテイタム入団以降としては今回が初。優勝までまだもう一つ壁があるとはいえ、ファイナルにまで手が届いたことは現チームにとってメンタル的にも大きなステップアップになったはずです。
ここでしっかりと手応えを感じる事ができれば、
テイタム
ジェイレン・ブラウン(Jaylen Brown)
ロバート・ウィリアムス3世(Robert Williams Third)
そしてサポートキャストまで視野を広げれば
ペイトン・プリチャード(Payton Pritchard)
グラント・ウィリアムス(Grant Williams)
アーロン・ネスミス(Aaron Nesmith)
などなど、ここからダイナスティを作れる可能性は大いにある人材が揃っています。
特にグラントはこのプレイオフで存在感を十二分に発揮した選手。汎用性が高い選手で、チームに穴があいた部分の補完をしてくれる貴重な存在です。
キャリアのゲーム7でのスリーポイント成功数はあのステフ・カリーに並んでプレイオフ記録という数字も持っています笑
少なくてもサブキャストの人選さえマトモにできれば、テイタム、ブラウン、ウィリアムス3世でいち時代は築けるポテンシャルがありますよね。
ベテランの年齢にもなってきましたが、DPOY(最優秀ディフェンス賞)をポイントガードとしては1996年ぶりに獲得したマーカス・スマートの存在も大きく、彼がこのピークを長くできるかがチームを保つキーになりそうです。
ペリメーターディフェンスの重要性がわかるスマートの活躍について先日書いた記事↓
彼のロンジェビティ(持続性。スポーツではキャリアの長さとそのクオリティに対してよく使われる言葉です)が期待できれば、ダイナスティ構築の可能性は一層上がるでしょう。
しかし、そんな若手タレント揃いのボストンの中にひとり大ベテランで、イースタンチャンプとしてトロフィーを授与する役割を任されたセルティックスのレジェンド、セドリック・マクスウェルから名指しで受け渡しを任された選手がいました。
それがアル・ホーフォード。
今季のホーフォードについては先にJerryが書いてくれていますね↓
チームからこのベテランへの信頼感は厚く、マイアミヒートとのゲーム7後、ポストゲームプレスカンファレンスでチームメイトたちは口を揃えて彼の存在感を称賛しています。
これだけチームメイトが賞賛するのは、貢献度だけが理由ではありません。
アル・ホーフォード、キャリアはアトランタホークスからスタートし、キャリア序盤は当時ビッグスリーを形成していたセルティックス相手に死闘を繰り広げました。
当時の優勝候補相手にファーストラウンドからゲーム7まで持ち込んだ戦いは記憶に新しいです。
ルーキー時代からプレイオフで活躍していたというのは、どこかテイタムとも重ねて見れてしまう部分でもあります。
それからしばらくはホークスで主軸としてプレイしていたものの、ホークスが当時の主軸メンバーを解体することに。その流れでホーフォードも他チームへ移籍することとなりました。
それから移籍したボストンでは、当時スコアラーとして開花したアイザイア・トーマスを中心としたチームのセンターとしてディフェンシブエンドの要となり、変わらず必要不可欠な存在として、東地区のプレイオフコンテンダーの一員として戦いました。
そこからセルティックスとの高額契約に折り目がつかず、結果わずか3シーズンで移籍。その後シクサーズ、サンダーと渡り歩き今シーズン再びセルティックスに戻ってきたわけです。
こう聞くと遠回りしてきたように感じるホーフォード、まさにそういった意味での記録をNBAで保持する選手になっていました。
それは、「ファイナルに進出せずに最もプレイオフの試合に出場した選手」
その試合数なんと141試合。
これは素晴らしい記録ではありながらも、同時に屈辱の記録でもありました。
プレイオフに多く出ている事は賞賛されてしかる記録ですが、優勝することがプロとして必至の目標である以上屈辱的とも受け取れるのは仕方のない記録です。
しかし、今回の勝利でその汚名も返上する事が出来ました。
彼が計算していたのかまではわかりませんが、当時セルティックスと高額契約できなかった事が理由でシクサーズに移籍したと言われているホーフォード、
シクサーズでは当時のセルツでは容認されなかった高額契約を獲得しました。
その額4年1億9000万ドル。
偶然ではあると思いますが、結果的に高額契約でセルティックスの一員としてプレイする事が叶ったわけですね。
35歳という年齢を考えるとなかなかの高額ではありますが、現在のセルティックスにとって重要な存在なのはこのプレイオフで明確化しました。
マイアミヒートとのゲーム7、残り19秒ジミー・バトラーが放ったショットはリムに嫌われ、多くのメディアから、中にはセルティックスの選手からも「判断ミスだった」と言われています。
そのプレイの時ジミーと向き合っていた選手はホーフォード。
多くの人からは判断ミスとされましたが、もしあの3ポイントシュートが決まっていたとしたら、戦犯は逆にホーフォードになっていたと思います。
そこを守れた形になったのは単に彼の幸運かもしれませんが、もしかしたらホーフォードに対峙してペネトレイトすることをジミーにためらわせた事が、彼自身の功績なのかもしれません。(ここでは19秒を消費しラストプレイにした可能性はホーフォードがマッチアップしなくなっていた場合は置いて考えますが)
コーチのイメ・ウドカはホーフォードがチームにいるありがたさをこう話しています。
「彼はこの年齢で出場する44分間の間スモールプレイヤーからビッグマンまでさまざまな選手に全力でディフェンスする。
ホーフォードは言葉が多い選手だが、彼のリーダーシップは言葉からのものではなく行動で示してくれるタイプのものだ。
チームはそんな彼を信用しているように思う。」
“For him to play 44 minutes at this stage of his career and lay it all out there guarding bigs, smalls and everything in between, his leadership goes without saying.
A vocal guy but does a lot by example, and I think everybody kind of ties into him.”
-The Athletic
多くのメディアでも言われているように、35歳という年齢から考えればホーフォードにとってファイナルの舞台は今年がラストチャンスになるかもしれません。
もちろん本人はそんな事考える間も無くこのタイミングに全力を注ぐつもりだとは思いますが、15年間求め続けたファイナル行きのチケット。
ついに訪れた最高の舞台に、どれだけ素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみですね。
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