AJです。
現地時間3/14のウォリアーズ戦後、ポストゲームインタビューで日本人の記者がこんなことを聞いてくれていました。
「八村塁をスターティングラインナップに起用する事は考えているか?」
NBAファンからすると少しこっ恥ずかしくなってしまうこの質問。
どうせ聞くなら
「Does he have any chance to get more minutes later this season?」(今シーズン中に八村の出場時間を伸ばすつもりはあるか?)でしょうか
NBAの中で重要視されるのはスタメンかどうかよりも、結局出場時間ですしね。
ですが実際にはこんな質問もあまり…な感じです。本当に聞くとしたら、自分ならこんな感じにします↓
「Hachi has been playing good come off the bench this season though he played as a starter for last two years. What do you like him playing as the second-unit?」(八村は今までの2年間スタメンで出場していた選手ですが、今シーズンは途中出場からの役割で良いプレイをしているように見えます。セカンドユニットとしての彼をどのように評価していますか?)
こう聞いて、途中出場としての八村が気に入っていると言って留まるコメントなら現状そのままでしょうし、スタートに戻る可能性があるならそう示唆してくれると思います。
今ウィザーズが手にしている持ち札としてカイル・クズマ(Kyle Kuzma)とKCPは完全にスタメン起用されるべき選手。
同じポジションとして今の八村が彼らを差し置くことは、特にチームの合流に遅れていた背景も踏まえれば余計に考えにくいのが現状ですよね。
八村が今セカンドガードをメインにやれるともまだ思えないため、どちらかというとスタメンになれる可能性を考えるのはデニ・アブディヤ(Deni Avdija)かなと思います。もちろん敢えて言うならです。
これはチーム事情を考慮すれば望み薄なことはすぐ分かる質問でした。コーチのウェス・アンセルドJr.(Wes Unseld Jr.)からの返答も「Everything is on the table.」(どの可能性もあり得る)として柔らかく返されて終わっています。
それでも、この質問は日本人ファンとして聞きたかったところなんだと思います。
レポーターの方もどうしても可能性に触れたくて、直接的に質問してしまったんじゃないでしょうか。
今シーズン遅れてチームに合流した八村塁は調整に時間がかかったものの、試合に復帰してから調子はとても良く見えるので、気持ちがわかります。
特にスコアリングが好調ですね。
第1クオーターの後半から出場し、1試合大体15~25分のプレイタイムを得るのが今の八村の出場ルーティーン。
固定されたプレイタイムと役割ですが、トップでもローでもミドルでも、どこからでも狙えるシュート力は魅力的です。
過去2年と比べて少ない出場時間ながら、現地時間3/15日時点で平均10得点を記録している彼の得点力がNBAのレベルにあることは誰も疑わないと思います。
Rui Hachimura | MIN | PTS | FG | 3P% |
2021-2022(~3/15) | 19.9 | 9.9 | 49.5% | 52.2% |
ミドルの安定感を主軸にプレイする姿は、なんとなくモリス兄弟に似てきたような感じもしますね。
スリーポイントも最低1本成功している試合を14試合連続で記録していて、これを現在(3/15)更新中です。このストリークは今シーズンウィザーズの中で1番長く連続試合で決めている記録になっているとのこと。
更に、ウィザーズの中で9.9得点は控えからの出場選手で1番得点が多い選手。
平均20分弱の出場にとどまっている中でベンチ得点1位は凄いと思います。
それでも今シーズン八村がスタメンになることはなさそうです。(もちろん怪我人が出れば別だとは思いますが)
アンセルドは先程の質問の返答をこう続けています。
「今彼がコートでプレイしているレベルは評価しているけれど、彼のこれからの具合を確認していきたい。
自信を持ってプレイしているし、とても早い判断でシュートも打てている。私たちのシステムの中でとても良い感覚を掴めていると思う。だから、ここから一層成長していく事を期待している。」
“I like him where he is right now. But as he progresses, we’ll see.
(中略)
He’s playing with confidence, he’s shooting the ball at a high clip. He’s got a pretty good feel for how we play and how we space. So, I just want to continue to see him grow.”
-Wes Unseld Jr. https://www.youtube.com/watch?v=2D2KKxqMc34
この話口から察するに、ヘッドコーチは八村をこのままの状態で見ていこうとしていると予想できます。
残り試合も約15試合のみですし、チーム自体が若いのにわざわざスタメンをいじっていくことは考えにくいですね。
でも個人的にはこれをとてもポジティブに捉えています。
確かに、ファンからしたらスタメンで出てくれた方が嬉しいかもしれません。
しかし、いわゆる控え選手としての役割をしっかりと貰っていることが分かるのはチームの一部になっている事の証明でもあります。
おそらく、八村塁自身はスタメンで出るコンディションが出来ているとは思います。
控え出場だとしても、36分換算でのEffective FG%でチーム内3位。1位と2位がガフォードとアンソニー・ギルで、センタープレイヤーの2人だということを考えれば素晴らしい効率の良さを記録してることがわかりますね。
それを考えるともう少し出場時間をもらってもおかしく無さそうなものですが、20分前後の出場時間に抑えているのは今シーズンを彼にとっての調整/成長の時間と定めているんだろう事が前述したレポートでも予想できました。
リバウンドなど他の主要スタッツは出場時間の減少もあり流石に減っていますが、それでも得点力を示しているのはとても大きいです。
すごく単純に言えば、控えからの出場で得点ができる選手であればいつのNBAにも需要はありますからね。
今シーズンはクオリティを磨くとして、ウィザーズでの契約は一応2023-2024まで。
もしかしたら契約の内は控え出場が通常運転の選手になるかもしれません。
でも、それも十分アリです。
NBAで日本人のシックスマンというのも、興奮すると思いませんか?
今シーズン30分出るようなことはなさそうですが、これから数年かけて得点マシーンになるのか、以前から自身で言っていたようにオールラウンドなプレイヤーになっていくのか。
どっちになるにしても、ファンにとってはメシウマです。
NBAに残ってくれることがファンにとっては何よりもな事ですから、彼なりの活路を見出して日本人選手としてリーグに名を残して欲しいですね。
ちなみに、この前のウォリアーズ戦を観ていたら現地の実況者が「八村は現在リーグで唯一の日本人選手です!」って言っていました…。
渡邊雄太にも、負けないくらい頑張って欲しいですね!
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