AJです。
現地時間5/21、ダラスマーベリックスとの第2戦でキャリアハイの21得点を記録したケボン・ルーニー(Kevon Looney)、
彼がウォリアーズにとって大事な存在になっているのが、年々顕著になってきていますね!
ですが、今回の記録がレギュラーシーズン・プレイオフ含めてのキャリアハイということからも分かるように、ケボンはオフェンス面での役割は大きくありません。
ステフ・カリー、クレイ・トンプソン、ジョーダン・プールがいるのでそれも当然かもしれませんが
センター基点の得点はほぼ皆無のチームシステムというのもあり、彼に期待されているのは常にディフェンス面です。
実は彼、ペリメーターのディフェンス力がウォリアーズで役割を獲得できた大きな要因だった事をご存知でしょうか。
ケボン・ルーニーは当初チームから期待されていた存在ではありませんでした。
NBA入りしてからは常にセンターポジションにはベテランがいて、中には”6番手”センターだったという年もあります。
当時ルーキーコントラクトでの4年目チームオプションは行使されず、NBAの常識で言うとそれは”戦力外通告”と言えます。
しかし、そのコントラクトイヤーで彼は揺るがない評価を受けることに成功しました。
The Athleticによると、チームからの評価を獲得したのは2018年だったそうです。
その当時いたのはジャベール・マギー、ザザ・パチュリア、デビッド・ウェストなど。確かに、出場時間を手にしたい若手にとってこのベテラン勢は大きな壁だった事でしょう。
チームは当時ジョーダン・ベルを好んで使っていましたし、
ただでさえドレイモンド・グリーンのセンター起用が長く(むしろメインだけど)、センタープレイヤーのプレイミニッツが少ないチームにあっては余計ですね。
ですがケボンはペリメーターディフェンス、主にガードに対するディフェンスで評価を得て、他選手と持っている違う武器をチームに示しました。
昨今のNBAではスイッチから1対1を仕掛ける相手を選んで狙う戦法がオーソドックスなプレイの一つになっています。
そして、多くの場合狙われるのはセンタープレイヤーです。
ガードプレイヤーに比べて総じてスピードが遅く、ペリメーターディフェンスが上手くない選手を外に引きずり出してアドバンテージを取るのは現在のNBAでは定石。
しかし、ケボンがそのシチュエーションになるとウォリアーズベンチから叫ばれるお決まりの言葉があります。
”Wrong guy!”
意味はひと言では表しにくいですが、「お前が1対1のために選んだその選手、相手にするのは間違ってるぞ!」って事です。
ケボン・ルーニーは大きな見た目に反して意外と機敏で、多くの場面でガード選手のオフェンスに対応しています。
それがはっきりとわかったのは2018年プレイオフのヒューストンロケッツ戦。
当時ロケッツはジェームス・ハーデンとクリス・ポールが在籍し、ガードからの1on1やピックアンドロールがシステムの主体でしたね。(NBAはほとんどどこでもそんな気はするけど…)
当然対戦ではスイッチしたセンター選手が餌食にされる事が多いのですが、この時ケボンは上手く2人に対応することができました。
それ以来チームから変えがたい評価を受けているというケボン。これがウォリアーズに7年も在籍できた理由のひとつなのは間違いありません。
ペリメーターディフェンスが上手い理由のひとつには、チームメイトのアンドレ・イグダーラの存在があるそうです。
イグダーラと言えば長年リーグでグッドディフェンシブプレイヤーとして評価されてきた選手。
18年目の大ベテランになった今でもディフェンス面で評価されている選手です。ゲイリー・ペイトンJr.が故障でいないこの状態で彼も怪我というのは、チームにとって本当に痛手。
しかし、チームにいるだけでもベテランは良い影響を与えているようです。
それだけでベテランの価値ってやっぱりありますよね。
元NBAヘッドコーチでテレビ解説者のスタン・バン・ガンディは、解説で何度も「なぜしつこくケボン・ルーニーに対してオフェンスを仕掛けるのか?カリーやプールに対して1対1を仕掛けた方が良いんじゃないか?」と言っています。
HCのジェイソン・キッドや1on1を仕掛けるルカ・ドンチッチ、ジェイレン・ブランソンなどアウトサイドからオフェンスを仕掛ける選手がここをどうアジャストして行くかもこのシリーズ後半の争点になりそう。
まあ、マブスのこの2人はケボンどうこう関係なく得点を量産しているわけではありますが…
契約が今年までのケボン・ルーニーは、変わらず来年以降もウォリアーズとの契約延長に合意するのはほぼ間違いないでしょう。それだけ彼の存在はチームにとって貴重になっているのが側から見てもわかります。
現在契約のレンジは500万ドル前後ですが、中にはマックス契約をするべきとの声もあります。
これは流石に冗談混じりの発言ですが、どれだけ重要な選手になっているかは分かるファンたちの発言ですね。
NBAではすっかりセンタープレイヤーとしてイメージが定着しているケボンですが、実は元々はフォワード選手です。
話だと、リーグで生き残りをかけるためにセンターになることを決めたそう。
身長は205センチとセンターとしてそれほど大きい選手ではありませんが、223センチという長いウィングスパンがセンターとしての役割だけでなく、アウトサイドのディフェンス面でも貢献できる大きなアドバンテージになっているのが予想できます。
大学は名門UCLA出身。なんと当時スリーポイントも41%の高確率を記録しているんです。
Kevon Looney | mins | PTS | FG% | 3PT% | REB | BLK | STL |
UCLA(2014-2015) | 30.9 | 11.6 | 47.0% | 41.5% | 9.2 | 0.9 | 1.3 |
元フォワードの選手として考えれば、まだ伸び代は充分残っているように感じます。
今年のプレイオフでの活躍次第で変わるかもしれませんが、契約更新の額は気になるところ。
サラリーキャップがカツカツ状態のウォリアーズですが、まだまだ成長の余地を見せることができれば、更なる評価額も夢ではないかもしれません。
シーズンが始まった頃にはワイズマンの控えとしての存在で見ていた人が多かったと思いますが、自力で存在意義を知らしめ、今はむしろワイズマンの方がチームを追われる身になるかもしれない状況。
NBAとは何があるか分からないですね。しかしそれが面白いところでもあります。
まだ26歳。ただのロールプレイヤーとしての存在にとどまらず、まだまだ伸びる可能性のある楽しみな存在です。
これからワイズマンなんか要らない!要らなかった!と思わせてくれる選手になってゆくのを見てみたいですね。
ワイズマンはワイズマンで頑張って欲しいですが…笑
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