こんにちは、AJです。
ここ最近、ついついヒートの試合を多く視聴しちゃいます。
理由は東の優勝候補というのは当然ですが、もっと細かく言うと
- 故障から戻ってきたバム・アデバヨ(Bam Adebayo)の調子を確認したい
- アデバヨとジミー・バトラー(Jimmy Butler)がいなかった期間は勝てていた一方でカイル・ラウリー(Kyle Lowry)がいない時のチームはどうなるのか気になる
- 主力がいない間の控え選手、ローテーションの活躍が目立っている
からです。
ヒートにとって昨シーズンオフにおこなったラウリーの獲得は予想以上に大きなプラスになっています。
ファイナル進出を決めた2019-2020年、チームに正PGと呼べるピュアなプレイメーカーはいなくて、代わりにジミー・バトラーがその役割を担っていました。
まあ、ジミーのプレイスタイル的にやっていることは変わらないので彼がPGをやることに何も違和感はなかったのですが、ここでもう一歩強くなりたいとなると補強したいポイントは
- ボールコントロールができ状況を読んだゲームメイクができる
- アウトサイドシュートからの得点に貢献できる
- ジミーバトラーの負担を減らす
大雑把にこんな感じでしたよね。
つまりラウリーは年齢とサラリーの高さに目を瞑ればドンピシャのPGだったわけです。(そして実際瞑りました笑)
ファイナルに進出した2019年の翌年のシーズン、コロナ禍によるオフシーズン短縮での開始によって選手が疲弊したままだったという話も年中聞かれましたから、特に最初から負荷が高かったジミーへの負担を分散させるのはチームにとっても課題だったはず。
昨オフにチームはズバリその補強に成功しました。
しかしそれでも中心はジミー・バトラー。年齢もありラウリーの役割は少なくなると予想されていました。
ところが、蓋を開けてみるとラウリーに救われる場面・試合が日に日に多くなっていました。
チーム成績を見ても分かる通り、ジミー、アデバヨ、タイラー・ヒーロー(Tyler Herro)など相次ぐ主力の戦線離脱の間チームを好成績のまま引っ張ってくれたのはラウリーでした。
シーズン当初こそ遠慮していたのかかなりパス優先のプレイをしていましたが、チームメイトの期待もあり徐々に積極性も見せてくれるようになってきていました。
得点力は流石にラプターズ時代のようにはいかないものの、アシストではリーグ6位の平均8.3本。このアシスト数はPGを欲していたマイアミにとっては嬉しい数字です。
Kyle Lowry | GP | PTS | AST | REB | STL | TO | DD | TD |
2021-2022(現地1/31日時点) | 39 | 13.4 | 8.3 | 4.5 | 1.0 | 3.1 | 12 | 1 |
そのラウリーは今”個人的な事情”で戦線を離脱しています。
当初は1、2試合だけの欠場かと思われていましたが、現地時間1/31日時点で直近の7試合を欠場し、どうなっているのか少し不安になってきました(AJが)。
いつ帰ってくるのかタイムスケジュールが分からなくなってくると、重要になってくるのは代わりにスターティングPGになるバックアップPG。
今それをマイアミで任されているのはゲイブ・ビンセント(Gabe Vincent)です。
このゲイブ・ビンセント、昨年から徐々に存在感を示し始め、ナイジェリア代表のガードとしてオリンピックに参加していた事でファンからの認知を一気に上げた選手ですが、それまでほとんど名前が知られていなかった選手です。
3年前Gリーグでプレイしていた前に在籍していた大学はUC Santa Barbara(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)
大学バスケに詳しくないので申し訳ないですが、NBA選手輩出校としてはあまり馴染みの無い大学の名前です。
大学の歴史でもこれまで10名ほどNBA選手を輩出していますが、名前を見て「お!」となるのはブライアン・ショウ(Brian Shaw)くらいでしょうか…
ゲイブ・ビンセントもNBAスカウトにはほとんど注目されていませんでした。
2018年組の選手ですが、ドラフト時のスカティングレポートを探しても大体がN/A(Not Available。情報はありませんという事)。NBAには注目されていなかった事がわかります。
そんな彼がまずプレイしたのはキングスの傘下ストックトンキングス。そこで活躍していた彼をマイアミヒートのスカウティングが目をつけ、彼を引き抜きました。
ヒートのスカウティングはとても有能な事がここ数年証明されていますよね。
現在スタメン定着で活躍しているダンカン・ロビンソン(Duncan Robinson)もドラフト外の選手。昨オフに放出してしまいましたがケンドリック・ナン(Kendrick Nunn)もドラフト外から獲得した選手でした。
今のロスターだけ見てもビンセントの他にマックス・ストゥルース(Max Strus)、オメール・ユルトセブン(Omer Yurtseven)など、出場機会を得れば活躍を見せてくれる選手がベンチにいるのが目立ちます。
ユルトセブンなんてアデバヨが休場していた間代役としてスタメンCをやっていた時10試合中8試合でダブルダブルですよ…。喉から手が出るほど欲しいチームは多いはず。
話が少し逸れましたが、マイアミヒートのスカウティングの素晴らしさも今度話したいですね。
NBAとして3年目の今季、ラウリーが欠場する時の代役としてビンセントは注目を集めています。
今年のチーム的にはストゥルースがモノになった事が1番の収穫かもしれませんが、現在いつラウリーが帰ってくるか分からない状況でのビンセントの活躍はマイアミヒートにとって精神安定剤になりそう。
PGとしての成長を見せていると評価されているビンセントですが、選手としてはもともとシューター/スコアラーとしての役割でプレイしてきたキャリアだった事もあり、試合中しばしば見せてくれるアウトサイドシュート力にはワクワクさせられます。
Gabe Vincent(As a Starter) | GPS | MPG | PTS | FG% | 3P% | 3PM | AST | REB | TO |
21-22(1/31日現在) | 18 | 33.3 | 13.3 | 42.6% | 39.5% | 2.7 | 4.9 | 2.8 | 2.5 |
アシストはまだ物足りない感がありますが、まだまだPGとして勉強中の25歳。ボールを完全にコントロールしている役回りで考えれば十分なアシスト数だと思えます。
現地時間1/21日のアトランタ戦、そして1/31日のボストン戦とキャリアハイの9アシストも2度記録していて、得点力だけではなくPGの素質は十分感じます。
さらに2ウェイプレイヤーとして守備面でも期待されていることから、ビンセントの活躍できる場はこれからも多そう。
NBAでの生き残りをかけて、もしくはPG力を見出されてのコンバートなのでしょうけれど、上手くいけばラウリーのような外角が得意なPGが誕生するかもしれません。
チームのピンチには誰かのチャンスが常に巡ってくるものです。
ビンセントは今まさにその状況に直面していて、今の活躍次第で今後のヒートでの立ち位置にも影響してくると思うので、ぜひチェックしてみてくださいね。
今回も読んでくれてありがとうございました。AJでした。
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