こんにちは、AJです。
今年、2018年に全体2位でメンフィス・グリズリーズに指名されNBA入りしたジャ・モラント(Ja Morant)は3年目の今季ブレイクアウトの年となりましたね。
チームも現地時間2月24日時点で西地区3位につけ、文句なしのチームリーダーに。
MVP議論の中心に入ってこないのはおかしいという声も日に日に大きくなっています。
今回自身初のオールスターにも選出され、これから常連になる雰囲気マンマンです。
「He has got a different kind of bounce.」
「彼には普通とは違う類のジャンプ力がある」
オールスターの中でもコメンテーターがそう言うほど、モラントの跳躍力は魅力的ですよね。
跳んでいるというより、まるで打ち上がっているような浮遊感を感じます。
残り20数試合も、MVPの可能性含めて見逃せません。
一方で、モラントと同じ2018年全体1位の鳴り物入りでニューオーリンズ・ペリカンズに指名されたザイオン・ウィリアムソン(Zion Williamson)には暗雲が立ち込めています。
こっちはこっちで”そういう雰囲気”がムンムンしていますね。
どういう雰囲気かって?
そう、巷でも話題になっているので知っている人も多いことかと思いますが、グレッグ・オデン(Greg Oden)の雰囲気です。
オデンは2007年にKDを差し置いて全体1位でNBA入り。KDは2位で指名されています。
KDがリーグの代表的な選手となる一方、オデンは早い段階でNBAを去ったこともあり頻繁にバスト(BUST)の代表格として扱われがちな選手です。
2位指名選手が大成する例はNBAの歴史でかなり少なく、貴重なパターンとして度々話題になるので余計有名なのかもしれません。
全体1位指名の選手がスターになれないというのは当たり前にあることなんですけどね。ある意味大成したKDのせいとも言えます笑
真面目に言うと、選手としての期待は五分だったと記憶していますが、大方の予想で1位指名されると思われていたのはオデンでした。
KDの体格の細さや、マーチマッドネスで活躍できなかったことがKDを2位に下げてしまった要因だったようです。
どっちにしても書けば書くほどKD次第だった感じはしちゃいますね笑
強いて言えば1位指名権を持っていたトレイルブレイザーズは、ブランドン・ロイ(Brandon Roy)を前年に獲得していたので、彼にマッチするビッグマンが欲しかった事が理由でもあるとは思います。
これまた怪我明けで将来どうなるかまだわからない状態でしたがラマーカス・オルドリッジ(LaMarcus Aldridge)も才能の片鱗を見せていましたから、ツインタワーの構築を狙ったのかもしれません。
えてして優秀なビッグマンは貴重とされる考えがNBAには長年ありますし、バスケットボールという競技の特性上としてもビッグマンが優先されやすいのは当たり前の光景ではありますよね。
オデンの失敗したキャリアとして、初めからシーズンアウトの手術をしていたことが理由に挙げられます。
2007年シーズンが始まる前に、オデンは膝の軟骨などの障害を治す為の手術を受けることにして、デビューを来シーズンに見送る事に決めました。
受けたのはKnee microfracture surgery、日本語でマイクロフラクチャー手術とそのまんまですが、軟骨など複雑な部位が故障しやすかったということだと思います。
しかしここから故障が続きます。
翌年2008年のシーズンデビューでもいきなり怪我。その後もシーズン中に復帰し活躍はするものの故障を繰り返してしまいました。
3年目にも膝を故障してしまい、それが決め手となったようです。
そこから3年間怪我によってプレイできず、そのままルーキーコントラクトでの保証期間が終わりブレイザーズとの契約は終了。
その後ミニマム契約でヒートにロスター入りもしましたが、キャリアの巻き返しにはなりませんでした。
この”期待の新人”で終わったオデンと、今のザイオンにファンは似た影を感じているようです。
怪我とともに、その大きな理由になっている一つはこれ
フィジカルコンディションを正常に戻すため、オレゴンのナイキ施設でトレーニングに励んでいるというザイオンですが、今シーズンでの復帰は見送るとされています。
するとザイオンがNBAのキャリア3年間でプレイした試合数は85試合。これはオデンがブレイザーズでの3年間でプレイした数82ととても近いんです。
全体1位指名、シーズン開始からの故障、長期離脱、3年間での出場試合数、同期の2位指名の活躍ぶり…。ファンが彼ら2人を重ねてしまうのも当然かもしれませんね。
ただ、決定的な違いが2人にはあると思っています。
それは怪我をしている過程。
マイクロフラクチャー手術を受けた事からもわかるように、オデンは慢性的な怪我に悩まされたように見えます。故障に100%対処するには限界がありました。
一方のザイオンは現在怪我からの”太り過ぎ”、もしくは太り過ぎからの怪我です。
ザイオンの体重を彼自身の膝が耐えられないという懸念は度々話されてきましたが、現在コンディショニング中なのは骨折中の不摂生(爆食い)による体重増加が理由との事なんですよね。
リーグ入り当時すでに騒がれていた体重は280パウンド。キロで言うと約127kgです。
それでも騒がれていたのに、現在(少なくともリハビリ前)あると言われている体重はなんと330パウンド!約150kgですよ!
280パウンドの当時で既にボバン・マリヤノビッチ(Boban Marjanovic)の290パウンドに次ぐ現役リーグ2位の重さだったというんだから、今は余裕の1位ですよね。
しかも巨人の中でも巨人のボバンは220cmでの体重です。ザイオンは203cmでこの体重と考えると、どれだけ規格外なのかが丸分かり。
体重が怪我につながる可能性が高い問題として注意しなければいけない中、それでも増やしてしまうザイオン。
さらには、チームのフィルムミーティングでは居眠りをし、コンディションを戻さなければいけないにも関わらずピザや炭酸ジュースなどの高カロリーな食事を止められないとリークされています。
怪我してしまうだけでなく、自己管理できていない話が多く出てくる現状に、メディアからはプロ意識が欠けていると批判の声も多いです。
問題はこれだけではありません。
今回トレードデッドラインを前にして獲得されたCJマッコラム(CJ McCollum)は、来シーズンから中心選手としてチームを勝利に導くことを期待されています。
しかし、CJの話ではチームに合流してから未だにザイオンから直接の連絡はないとのことです。
まあどっちから連絡するんだ問題は置いといて、ザイオンはペリカンズの核として期待されている選手。その期待があるからこそ今の状態でもチームは待ち続けてくれている面があると思います。
多くのメディアからはこれを問題視され、「チームの顔がトレードで来た大物選手に連絡取らないなんてなんたる事」と批判される事となりました。
確かに、チームに帯同していないとはいえ、これから共にチームを作っていこうという選手に連絡なしはフランチャイズプレイヤーとしては少し悲しいですよね。
ブランドン・イングラムが話に出てこないと置いていかれてるような気もして、それはそれで悲しいところですが…。
思うに、ザイオンは食生活やらプロ意識やら含めて、惰性な人なんでしょうね。
あれだけキレキレのプレイしてた選手に言う言葉じゃないようにも思いますが、あのクオリティのプレイができるということは、少なくてもトレーニングはちゃんとやれる人だと思います。
きっと、”怪我してトレーニングできない”だとか、やらない理由ができると一気に緩んじゃう人なんじゃないかなーって気がします。
チームメイトとのコミュニケーションも面倒だと感じると後回しになるんじゃないでしょうか。
JJレディックも彼をコミュニケーションを取ろうとしてこない選手とESPNの番組で言っていました。
少なくても、バスケしたいってモチベーションは度々見せてくれているわけですから、バスケ愛は絶対ありますよね。
NBAデビューの試合の時も、出場時間が制限されている中、勝つためにそれでも「出たい」とコーチに訴えるくらいですから。
そう考えると、ザイオンが自身のキャリアを持ち直すためには、ケガとともにコミュニケーションを怠る姿勢も正さないといけなさそうです。
むしろこっちの方が根が深そうな問題に見えてきます。
結局のところ、この「惰性」な性格を矯正することが全てを解決する重要なポイントだと、大方のファンが感じているところではないでしょうか。
個人的な意見で言わせて貰えば、グレッグ・オデンはバストではないと思っています。
出場しているときはそれなりに活躍している試合も複数ありました。
もちろん最初の3年で80試合程度しか出れなかったことは期待はずれに変わりありませんが、怪我に見舞われなければ十分通用するクオリティを持っていたと思います。
実際ダブルダブルも複数回記録していましたし、オデンがコートにいる時はいない時より1試合で10点ほど相手の得点が下がるというデータも当時取り上げられていたことを覚えています。
同期のケビン・デュラントも彼について言及したことがあり、次のように言っています。
「彼をバストと言うのはナンセンスだ。
バストと呼ばれるには、実際にプレイして成長具合を見定められる必要がある。
彼にはそのチャンスがなかった」
“That’s nonsense.
In order for you to be a bust, you have to actually play and show people that you progressed as a player. He didn’t get a chance to.”
-Kevin Durant
Sports Illustrated
KDが言うように、オデンは怪我によってポテンシャルを見せれなかっただけで、彼自身が”バスト”と呼ばれるクオリティだったとはあまり思えません。
となると、怪我でプレイできてないザイオンもバストとは呼べないのか?
ここはまだわかりません。
彼のキャリアはまだ終わってませんからね。
ただ、このまま終わってしまうとすれば、オデンを越えたバストと呼ばれちゃっても仕方がないかもしれません。
彼には慢性的な故障は持っておらず、自己管理で解決できそうなコンディショニングの問題に見えるからです。
期待外れ度がバストとしての目安の一つになるとすれば、期待と失望の高低差はザイオンがオデンよりダントツでありそうですね。
もしかしたら、下半身の部位が弱いなどの先天性のものが後から見つかる可能性はありますが、現状で見えているのはただの体重・自己管理問題です。
自己管理ができなかった選手として扱われるのであれば、どれだけポテンシャルが高かったとしても才能を無駄にした選手と見るしかありません。
“才能を見せれなかった選手”と”見せなかった選手”は同じようで遠いところにあると思います。
少なくても昨シーズンは十分NBAに通用するプレイを見せてくれていたザイオンですから、このままフェードアウトしないで1位指名の意地を見せて欲しい。
まずはルーキーコントラクトからの契約延長を勝ち取ることを願いながら、4年目の来季コートに戻ってくる時を楽しみにしています。
身体とともに精神的にも変化が見られる年になることを期待したいですね。
3/29続報アップしました↓
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