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モンテ・モリスがウィザーズ浮上の潤滑油になる

Washington Wizards
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こんにちは。AJです。

今オフにイシュ・スミス、KCPとのトレードでウィル・バートンと共にウィザーズに移籍しているモンテ・モリス。

トレードが報道された時のファーストリアクションではKCPのディフェンダーとしての存在感もあり、オフェンス力が欲しかったからとしてもちょっと勿体無いトレードだったのでは?と思ったのですが、

報道を聞いているうちに取った理由に納得しました。

サラリーキャップや翌年以降のFA狙いなどのための動きもあったかもしれませんが、今回はモンテ・モリスをウィザーズが獲得したメリットにフォーカスして見てみましょう。

Monumental Sports Network
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HCウェス・アンセルドJr.との関係が既にある

チーム的にも彼を獲得しやすかった理由はここにありそうです。

ウィザーズのヘッドコーチに就いているウェス・アンセルドJr.は、以前4年間デンバー・ナゲッツでアシスタントコーチとして働いていました。

当時からナゲッツに在籍していたモリスとは交流があり、どちらもナゲッツHCのマイク・マローンのもとチームにいたことでシステムの理解度は高いと思われます。

特にモリスはNBAでの5年間マイク・マローンのもとでしかプレイしていませんでしたから、むしろ彼のプロとしてのバスケットボールIQに1番影響を与えているコーチなわけです。

アンセルドがマイク・マローンのシステムやヘッドコーチの手法に影響を受けて現在チームを構築しているなら尚更この獲得はプラスですね。

そうでなくても、以前から親交のある選手がチームにいるとコーチにとってポジティブな事が多いです。

特にコーチと最も意思疎通が必要とされるポイントガードのポジションにそういった選手がいるのはゲーム運びをする上で影響は大きいはず。

NBAでは平然とHCの指示を蔑ろにする選手もいたりコーチが思ったようにプレイしてくれない選手も多いですから、ここの関係性はコーチにとっても重要な課題。

その意味で言えば、今回のモンテ・モリス獲得はアンセルドJr.にとってベストの選択肢だったと言えます。

チームメイトになるカイル・クズマとも10代からの友達関係にあった仲だと言うことで、PGというポジションのみならず人として選手とコーチの橋渡し的存在になるメリットは大きくあります。

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ウィザーズの悩みの種だったPGのポジション

昨シーズンのウィザーズは、PGを5人もロスターに加えながら監督の意向をコートに反映させることが課題に挙げられていました。

選択肢が多い中でどの選手がベストなのかを判断するのに苦労していたように見えます。

昨季オフに獲得し期待の高かったスペンサー・ディンウィディーがチームに馴染めずリーダーシップを取れなかった事が1番の理由だったでしょう。

ディンウィディー自身はシーズン開始からリーダーシップを取ろうとしたそうですが、それを「必要とされなかった」と言います。

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チームのリーダーとしてステップアップする必要があるんじゃないのか?という問いかけに対して

「それが興味深いシチュエーションでね。早い段階でリーダーシップを取ろうと動いたけど、それほど必要とされなかった。

だからなんでも要求される事に応えようとしている。そうやって全員が役割を持ってる状態なんだ。」

“It’s an interesting situation. I spoke up a little bit early on. It wasn’t necessarily welcomed. And so, like I said, I try to do whatever’s asked of me. At the end of the day, everybody has a role to play,”

-Spencer Dinwiddie when he played with the Wizards

ディンウィディーの口ぶりから、「要求されたことだけやれば良い」という状況に不満があったように見えます。自身の能力はそこ以上にあるという自己評価との差異が昨シーズンの不仲を生んだのかもしれませんね。

ウィザーズはブラッドリー・ビールが明らかにリーダーシップを発揮するべき存在です。

しかしチームの中でリーダーシップを発揮するのは1人では足りません。

アメリカの部活だとチームのキャプテンって2人いたりしますよね。

CaptainとCo-Captainというポジションなので、日本で言うとキャプテンと副キャプテンがそれに当てはまるのかもしれませんが

大抵が”プレイで引っ張る選手”と”キャプテンシーを発揮できる選手”が選ばれているように思います。

チーム1番の選手がリーダーシップも備えていることはなかなか稀ですし、そこでバランスを取っているんですね。

そこから見ると、ビールは”プレイで引っ張るタイプの選手”のように見えます。キャプテンシーがないとは思いませんがそちらの傾向が強そうです。

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ウィザーズに必要なのは恐らくもう一方の選手たちとコミュニケーションを取り空気を作る側のキャプテン。

ディンウィディーはそこに入り損ねたという感じに見受けられますが、アンセルドの求めた人材は違うところにいたのでしょうか?少なくてもディンウィディーではなかったようです。

これを踏まえるとモリスを獲得した理由がアンセルドとの交流がすでにあり彼の思考をある程度理解している選手が欲しかった、というのが一つのきっかけだったと言われても納得です。

2021-2022シーズン後半ではラウル・ネトやトーマス・サトランスキーにそれぞれPG定着の匂いがしましたが、イマイチハマらなかったようで、

PGとしての能力と経験が十分にあるように見える彼らに足りなかったのは単純に得点力だったのでしょうか。

限られたプレイタイムでも二桁得点を記録する実績を挙げているモンテ・モリスは、ビールの邪魔をせずに得点で貢献できる適任なのかもしれません。

Trade for Monte Morris, Will Barton brings the John Wall trade full circle
With patience and forward-thinking moves, Washington used a bloated contract to remake its starting lineup.
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モリスはナゲッツで隠れた名選手だった

モリスはここ数年ファンの中では知られた名選手でしたが、チームの特性上知名度を上げられない選手でもありました。

その理由は簡単に言ってしまえばニコラ・ヨーキッチ中心のチームシステムにあります。

PGとしてプレイしながらもボール展開の中心はほとんどヨーキッチのナゲッツにおいて、ヨーキッチ以外の選手はガードフォワードの区別があまり必要とされていません。

極端に言ってしまえばオフボールでカットできてスリーが打てる選手が4人、ヨーキッチの周りにいるっていう感じですね。

チームのセカンドエース、ジャマール・マレーがいたことでモンテ・モリスの存在は一層薄れていました。

それでも25分の出場時間を獲得し、ボール供給が少ない中でキャリア10.5得点3.7アシストを記録しているのは賞賛に値します。

さらに昨シーズンにマレーがシーズン全休したことによって30分弱のプレイタイムを得ることができた2021-2022シーズンは、彼のプレイクオリティーをよりいっそう証明する年になりました。

Monte MorrisMINPTSFG%3PT%FT%ASTREBSTLTO
2021-202229.912.648.4%39.5%87.0%4.42.70.71.0
NBA.com
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効率の良い活躍をしてくれるモリスの最大の魅力のひとつはターンオーバーの少なさ。

プレイタイムが増えると必然と上昇するターンオーバー数ですが、モリスの場合キャリアアベレージの0.8からわずか0.2ポイントしか上昇せず、4.4アシストするPGながらミスの少なさは評価を大きくする要因になっています。

これはもちろん他チームほどボール保持をしていなかったことも理由になる為ウィザーズではターンオーバー数は上昇すると思いますが、そのボール保持の少なさから4.4アシストを記録していたのは評価されるべき部分です。

活躍するのにボールを必要としないモリスはビールとの相性も良さそうですね。

本人も言及しているように、ウィザーズでプレイすることは彼にとって大きなチャンスだと考えています。

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「デンバーではただのロールプレイヤーだったんだ。

何年もジャマール・マレーの控えでプレイして20分くらいしかプレイしてなかったけど二桁得点を記録してた。

だからやっと多くのプレイタイムを貰える機会が得られて嬉しい。これで多くの人に自分が何ができる選手なのかを見せる事ができるからね。」

“I just play a role in Denver. So many years I’m just playing behind Jamal and I was playing like 18 to 20 minutes, but averaging double-figures and things like that.

So I’m excited to, you know, finally just get my opportunity to play more extended minutes and actually show the world more of what I’m capable of and that’s as lead my character”

-Monte Morris on NBC Sports

昨年のカイル・クーズマを例にあげ(実際に出してきたのはインタビュアーだけど)、クーズマのようにチームを変えたことで自分の能力を発揮できるチャンスが来たと語っています。

それだけデンバーで限られたプレイタイムしか与えられていなかったことに煩わしさを感じてた事が見て取れますね。

ウィザーズにとって定まっていなかったPGポジションでモリスが確実な出場時間を貰える事はほぼ確実です。

昨年のクーズマのようなジャンプアップをウィザーズファンはもう一度見ることができるチャンスかもしれませんね。

モリスが跳ねる活躍を見せてくれれば、ウィザーズは埋もれてしまっている選手を見つけるのが上手い再生チームとして有名になったりして。

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まとめ

モンテ・モリスはNBAキャリアの5年間スポットライトを浴びることの少ない選手でしたが、ファンは知っている優良選手です。

ボールキープをせずにチーム貢献できるスタイルから、ブラッドリー・ビールと組み合わせるには最適なPGかもしれません。

チームが欲しがるリーダー的存在に成り得るかはわかりませんが、少なくてもアンセルドJr.HCと選手との潤滑油になってくれる関係性をそれぞれに持ったキープレイヤーとして貢献できそうです。

ウィザーズが昨シーズン抱えていたガード陣のアウトサイドシュート効率の悪さ(31.2%)を簡単に解決してくれる可能性もあり、チームにとっては良いことだらけですね。

契約額も2022-2023が912万ドル、2023-2024で980万ドルと選手にしてはかなりお手頃です。

すでにチームを去ってはいましたが年棒1800万ドルだったディンウィディーと比べてもお得感が凄い。

今回は触れませんでしたが、ウィル・バートンも一緒に獲得していることは得点面でも保証になっています。

モンテ・モリスがついに得たプレイタイムのチャンスが実際どれだけ得れるのかは分かりませんが、本人にモチベーションが上がっているだけでプラスに感じます。

まずは来るジャパンゲームのプレシーズンでどれだけチームに溶け込んでいるのか、見てみたいと思います。

nba.com

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