こんにちは、AJです。
シーズンが始まって3週間、すでにチーム毎の課題が見えてきていますね。
不安の方向で気になるチームの一つがBoston Celtics。
常に東の優勝候補に上がっていたチームは今年シーズン開始から苦境に立たされています。
2017年にJaylen Brown(ジェイレン・ブラウン)、2017年にJayson Tatum(ジェイソン・テイタム)を獲得してから彼らを中心にチームを作り上げてきたCeltics。どちらもウィングのスコアラーということから常にフィットしないのではないか?どちらかをトレードした方がいいのではないか?という意見も常に聞かれますが、少なくてもここ5年でイースタンカンファレンスファイナルに3度到達しており、まだ将来の伸び代もある分チーム作りとしては成功を収めていたと言って良いのではないかと思います。
今シーズンに長年HCを務めてきたBrad Stevens(ブラッド・スティーブンス)が前線から身を引きチーム運営側の役職に付き、Udokaを新しいコーチを迎えたことでフレッシュな変化ももたらそうとしました。
しかし、もしかしたらこれが悪い方に転んでいるかもしれません。
昨年までプレイオフチームの常連だったチームが一転負け数が先行するスタートを切ってしまう事態になりました。
現地時間の3日、負けが混んだチームにベテランのMarcus Smartが声を上げます。
『相手チームはどこもTatumとJaylenで点を取るにくることはわかっている。相手は毎度2人に対策を講じて挑んでくる。なのに彼らは自分たちで得点する方法しか考えていない。彼らはパスすることを覚えなくてはいけない』
-Boston Celtics Post Game Media Conference
メディアを通して発したこの意見に有識者たちは驚きました。
確かにチーム方針としてやっていたものだとばかり思っていたので、ファンからしてもこの発言は予想外だったんじゃないでしょうか。
中には「ロッカールームで直接言えば良い事なのにメディアを通して言う必要があったのか」と問題視する声もあります。
しかしそんな声にStephen A Smithを始めESPNのコメンテーター達はこう応えています。
要約
「Smartの発言が良い解決法だとは思わない。けれど、彼は今までの長いキャリアでこんな伝え方はしてこなかった。(2人がボールを持ちすぎるという)問題はBradがHCの時代からあったが彼らの成績が落ちている事によって表面化してきている。
彼がメディアの前でこう言っているということは、彼の声がロッカールームで影響力を失っているからだ。この発言をする前に彼がロッカールームで声を上げていないとは思えない」
-ESPN
Marcus Smartは若い選手で構成されていたチームの中で唯一と言っていいバランサーでした。ポジションの隔たりなく相手チームのスコアラーをディフェンスし、ハッスルプレイを見せてチームに流れを持ってくる役回りだった彼はある意味、TatumやBrownよりもチームが1番必要としている存在でもあります。
Stephen Aたちの言うように、そんな彼がチーム内で声を上げていなかったとは思えません。
コーチが代わり、ルーキーの頃から中心として扱われていたTatumにボールコントロールの歯止めが利かなくなった事が今回のチーム沈下の原因であると指摘されるのは仕方のないことだと思います。
もちろんチームの問題はそれだけではありません。ディフェンスの問題はシーズン開始から度々指摘されていますし、Udokaの選手采配も疑問の声があります。
しかし昨シーズンに比べて明らかに得点効率が低いTatumは、チームが勝つためにアジャストする必要がある1番の選手なのは間違いありません。
Jayson Tatum | PTS | FG% | 3PT% | FT% | REB | AST |
2020-2021 | 26.4 | 45.9% | 38.6% | 87.0% | 7.4 | 4.3 |
2021-2022 | 23.6 | 39.5% | 32.1% | 76.0% | 8.4 | 3.3 |
FG%も下がり、さらにアシスト数まで低下しているこの状況ではチームメイトからこういった声が上がるのも納得です。
Smartがメディアを通して発言したことに一定の非難もありましたが、個人的には正解だったと思っています。
事実、この後Celticsは選手のみのミーティングを行なったと報じられています。メディアセッションで発言しなかったとしても出来たであろうミーティングではありますが、本音をぶつける意味でメディアを通さないままミーティングをしたより伝わり方の本気度が違ったんではないでしょうか。
チームやチームメイトの「今の状況は問題だ」と思わせた事自体が良かったんじゃないかと思います。
だからといってパスをするだけでは問題の解決にはなりません。Tatumが自分のオフェンスを改めたとしても、ボールシェアをどのように効率よくやっていくかがこれからの課題になります。
Marcus Smartは「自分はゲームメイクができる」と言っています。それはある程度本当ですが、セットプレイやハーフコートでの区切りの場面でプレイメイクするイメージが強く、チームのオフェンス全体の潤滑油になるほどのPG力が彼にあるとは認められていません。
今回Brownが故障したことにより出場機会が増えると考えられているDennis Schroderも、得点先行の選手でありチームコントロールに向いているかと言われると疑問は残ります。
スポーツメディアのThe Ringerは、Podcastの中でこんな会話をしています。
チームにはFacilitatorが必要だ。Celticsがこれまで集めてきた選手はKyrie、Kemba、Rozier、今回のScroderと、オフェンス第一の選手でFacilitatorを獲得していない。
-The Ringer
Facilitatorファシリテイターとは、場をまとめる人のことを言います。司会役や進行役とも訳されますが、バスケに関して言えばゲームを上手く動かす促進者ということですね。潤滑油と言えばわかりやすいかも知れません。
そう言われてみると確かにそうです。Jason Tatum、Jaylen Brownというオフェンスに爆発力のある選手を両ウィングに構えているなら、真ん中に置くPGはコントロールできてサポート役に回れるピュアなPGがフィットしやすいのではないでしょうか?
The Ringerでは今年のブルズと比較して、例にLonzo Ballを挙げています。
「Smartは確かにPGができるが、Facilitatorではないよね。彼らにはLonzoのようなFlow Playmakerが必要だよ」
-The Ringer
スコアリングは1対1だけではありません。特にセットの必要ないトランジションで得点が取れることが1番楽なのは、学生バスケでも良く教えられている事ですよね。
そういうパターンを増やすためにも、Lonzo BallのようなPGが必要だったと彼らは述べていますが、Celticsチーム内の意見のいざこざを解決する方法としても、一発で解決できるだろう納得の意見だったと思います。
これからまだ長く続くシーズンで、チームは何か策を打つのでしょうか?
最後に今回紹介したThe Ringerでの動画コメント欄に、こんなものがありました。
Rubioはどうなの?彼はCelticのようなチームにこそいるべき選手だと思う。彼がチームにいたら10アシストを余裕でするだろうね。
-Youtubeコメント欄
AJはこの獲得アイディア、大好きです。
なかなか難しいスタートを切ったBoston Celticsですが、球団社長側についたStevensが何もしないとは思えません。
ここからどう巻き返してくれるのか、PG獲得のアイディアと合わせて期待しています。
今回も読んでくれてありがとうございます。AJでした。
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